発声に関わる体の部位

喉頭の中に位置する声を出すための2枚のひだ。
呼吸をしている時は閉じており、発声時に閉じて互いをこすり合わせ振動する。
声帯を包み込むように形成された軟骨・筋肉群。
食べ物や飲み物を飲み込む際には上昇するが、発声時は上下をせず一定である(Speech Level)ことが理想的とされる。
これは喉頭の位置により共鳴腔の形が変わり、これにより声質が大きく変わるためで、これを上げすぎるとアニメのキャラクターを思わせる声に、下げすぎると下手な男性オペラ歌手のようにも聞こえる。
喉のでっぱっている部分で甲状軟骨の突起部。
個人差はあるが男性の方が大きくでっぱり、女性の方が小さい。軟骨が広角的であると外皮からは見えにくく、鋭角的だと外皮から比較的見やすい。
喉頭の上下はこれの位置で見るとわかりやすい。
声帯から作られた音(喉頭原音)が共鳴し、音色の決定や音量の増大が行われる声帯よりも上に位置する共鳴腔全体を指す。
この4つを中心に音色・音量の決定が行われている。
最近のリサーチでは、鼻腔の共鳴がもっとも声への影響が低いという事が分かってきたようだ。

ボイストレーニング・総称

歌は、話す事の延長にあると考えられる。
そこにダイナミクスやトーン・コントロール、ビブラートやボーカル・リック等の技術を加える事により、技巧的で感情的に聞こえる。

歌手とは「音程上で演技を行う俳優」とも解釈ができる。
また、作曲家や作詞家の作った作品に自分なりの解釈を加えて、聞き手に発信を行う事から「二次的な作家」と呼ぶ事も出来ると思われる。
歌手、俳優、講師などの発声の状態を、最大化するエクササイズの総称。
見込まれる効果は、音域の拡大・音量の増大、不必要な筋肉群の解離、必要な筋力の最大化、不必要な筋肉の弛緩、声区の確立、声区の融合である。

一時期は、呼吸絶対主義派が支配的であったが近年はそれも減ってきており、喉頭の筋肉と呼吸の融合により最も効果的な発声状態を訓練出来ると考えられる。
バランスの取れた発声を行うための技術。
「ボイストレーニングを習う」という場合、一般的に「ボーカルテクニックを習う」と言う事と言える。
発声以外の技術を学ぶエクササイズの総称。
一般的に歌い回しや、トーンコントロール、発音、タイミング、ボーカルアレンジの練習の事を指す。海外では「ボーカルスタイル」と呼ばれている。

声区・声種

高い音域を歌う時に必要とされるボーカル・テクニック。
トレーナーによっては「芯の通った裏声」などと表現をされる方もいる。
歌手の体感としては、上頭部~後頭部にかけて共鳴を得ているように感じられる。
声区の1つ。
通常のヘッドボイスよりヘッドクオリティの高いヘッドボイス。(難しいですね…?^^;)
息の量は少なく、声帯を閉じる力は、ファルセットと比べると若干強くなる。
声のクオリティとしては一般の人が聞いた場合、「密度の高い裏声」のように聞こえるようだ。
基本的に私たちが話している時の声帯の状態。
声質としてはヘッドボイスよりも太く、リッチである。
歌手の体感としては、主に口の中、若干胸に響きを感じられる。
一般的にヘッド・ボイス、チェスト・ボイスの中間的な存在とされている。
1つの声区から次の声区へ移動する際に起こり、健康的な男性で3つ、女性で4つ~5つ起こる。
女性の第2声区を指す。
ちなみに男性の場合、第2声区はヘッドボイスを指し、男性にはミドルボイスと呼ぶ声区は存在しない。
ただし、これは「各声区の呼び名」であり、呼び方をどのように呼ぼうと桜田個人的には気にしていない。
超低音域の発声法。
これは低音の発声を極限まで行うために開発された技術で、声帯の振動は非常にゆっくりになる。
極端にこれを行うと、声帯の振動がひとつひとつ聞こえるかのようにジリジリとした音になる。
この声区も一般的には使われる事は少ない。
女性の方が使える事が多いようだが、男性でも発声可能な事もある。(ちなみに桜田はできない…)
まるで口笛を吹くように聞こえるため、この名前がついたようだ。
声帯を閉じる力を若干強める事により鋭いトーンを作るテクニック。
感覚を得るエクササイズとは「古いドアがきしんでいるような音のするハミング(長いですね。笑)」がある。
もちろん歌の中で使う事も可能だが、鋭い音のため極度にこのトーンを使いすぎるのはうるさく聞こえたり、オーディエンスを飽きさせる可能性もある注意が必要。
声の系統をおおまか(もしくは細かく)に分類したもの。
多くの場合で、声の高さで決める事があるが、桜田はこれを誤りだと考えている。
例えば、男性のバリトンは声が分厚いため低音を得意とするが、「高い声が出ないのでバリトン」と分類するのは間違い。
あくまで声の質感と換声点の位置で定義されるべきと考える。
男性の高音を得意とする声種。
声は軽く明るい。比較的、速いフレーズを得意とする。
男声種としては、最も多数となる。
男性の低音を得意とする声の種類。
声は太く暗い。速いフレーズが苦手な事が多い。
男声種としては、比較的珍しい。
男性の低音を得意とする声の種類。
声はバリトンよりもさらに太く暗い。速いフレーズが苦手な事が多い。
男声種としては、非常に珍しい。
女性の高音を得意とする声種。
声は軽く明るい。声種の中では理論上、最も速いフレーズを得意とする。
女声種としては、最も多数となる。
女性の低音を得意とする声の種類。
声は太く暗い。
ゴスペルのソリストに選ばれる事がよくあるように思える。(たまたまかな…!?)
女声種としては、非常に珍しい。
声区の変化が急激に行われる場所。
イタリア語ではパッサージョ、英語ではパッセージ・エリアとも呼ばれている。
ここの換声点をうまく乗り越える事が、ボーカルテクニックの目指す大きな目標となる。
換声点の通過の失敗により、ファルセットやヘッドボイスに「ひっくり返る」ように聞こえる事がある。
【バス/バリトン男性】
1つ目は中央のドの下のシくらいから3~4音
2つ目は中央のドの上のミくらいから3~4音
3つ目は中央のドの上のラくらいから3~4音

【テノールの男性】
2つ目は中央のドの上のラくらいから3~4音
3つ目はそのさらに上のレくらいから3~4音

【アルトの女性】は大体テノールと同じ。

【ソプラノの女性】
1つ目は中央のドの上のラくらいから3~4音
2つ目はそのさらに上のミくらいから3~4音
3つ目はさらに上のラくらいから3~4音

これらは考えられる声種上、最も高い位置で起こりえる換声点の位置を記載している。
これよりも高い音でミックスするのを感じている場合、
(1)技術的にあまりにも優れているため、あたかもミックスをしているように聞こえない
(2)歌手、もしくはトレーナーの耳が未熟なため、換声点の位置を見誤っている

90%以上の男性はテノール、90%以上の女性はソプラノである事から、ほとんどの歌手はテノール、ソプラノを参照するべき。
桜田は基本的に、裏声(ファルセット発声)以外の全てをフルボイスと考えている。
ただし、デスメタル等で使われるデスボイス等は専門外なので、定義はできません。^^;
チェストヴォイス=地声という間違った認識があるが、これは高音で無理のある発声を行う元となり、非常に危険。
声帯が若干開き、両端の粘膜部分が振動していると言われている。
声帯の2枚のひだの最も深層部にある声帯筋は、ほとんど振動しない。
声帯筋がひだの体積を最も占めているが、それが振動しないため、芯のない音で息っぽい声に聞こえる。
裏声の発声に対し否定的な意見もあるが、特殊効果として狙うのは音楽的に必要と考える。
一部の歌手やトレーナーにはファルセットと裏声は別物と説明されているが、これは単純に日本語と英語の違いで、まったく同じ物と桜田は考えている。

スタイル・歌唱法

声帯にかける空気の圧力と声帯を伸ばす筋肉をコントロールし、音量と音程を周期的に変化させ、波を打つように発声するテクニック。
美しいビブラートは声帯を閉じる力と空気圧のバランスが取れていないと作るのが難しい。
音量の幅。
「ダイナミクスが大きい/ひろい」と言う場合は音量の幅が大きい事を指す。
音楽作品に置いては、極端にダイナミクスを一定にして音量を稼ぐという風潮があるが、個人的には音楽においてダイナミクスは非常に大切な要素だと思い、あまりこの風潮には賛同できない。
音量を次第に大きくするテクニック。
歌において言えば、ほとんどどの音域においても音量の移行は出来るべきだと思う。
音量を次第に小さくするテクニック。
歌において言えば、ほとんど、どの音域においても音量の移行は出来るべきだと思う。
チェストボイスで高音を叫ぶように歌う事。
喉の健康のためにはおすすめは出来ないが、歌手が表現のためにこの発声を意図的に選択する場合は個人的には良いと思う。
ただし、ミックスを少しでも加えたシャウトと、純粋にチェストボイスのみのシャウトでは喉への負担に雲泥の差があり、音の質感はそれほど差はないため、やむを得ずシャウト唱法を使う場合は前者を強くおすすめする。

その他の用語

人間が寝ている時に行っている一番自然な呼吸法。
息を吸い込んだ時にお腹が前に出て、息を吐く時にはお腹がへこむ。
これを行わず、胸式呼吸から発声を行おうとすると首の周りに緊張をまねく事になる。
一時期は「腹式呼吸を制するものは歌を制する。」といった間違った理論が主流であったが、今日では徐々に改善されつつあるように見える。
桜田は「呼吸は歌にとても大事ではあるが、発声プロセスの一部であり、その他の運動のバランスと連動している事を考慮し、十分注意を払う必要もある」と考えている。
発声の現場では、あくびの喉をイメージして使う事がある。
あくびの喉の状態は喉頭を下げ、緊張を防ぐのに役立つ。
桜田は一時的なエクササイズとして使用する事はあるが、これを理想的な発声の状態とは考えていない。
喉頭の位置が低すぎる事。あくびの喉の状態。
この時の声質は太く、暗いトーンになるが、やりすぎは決してなナチュラルなトーンにはならない。
エクササイズの一環として、これを行う事は多くある。
これによって受けられる恩恵は、ヘッドボイスへ移行する感覚を得る。
そして首周りの筋肉のリラックスの感覚をつかむ第一歩になる。
喉頭の位置が高すぎる事。
食べ物、飲み物を飲み込む時に起こる状態で、歌を歌う時の理想の状態ではない。
多くの歌手がこれにより喉の疲労を感じるため、これは常に一定(Speech Level)を保っておく必要がある。
この時の声質は細く鋭く、アニメのキャラクターの声のようにも聞こえる。
ロウラリンクス・エクササイズ同様、一時的なエクササイズとして使用する事はある。
効果は、チェストボイスから声を薄く使うため、ヘッドボイスへの移行を掴みやすく、かつ声門の閉鎖を維持しやすい。
ここでは歌っている時の状態について述べるが、母音を正しい母音に保つ事。
多くの場合、高音部の発声になると母音は拡がり(もしくはつぶれて)正しい発音から誤った発音に変化をする。
これを防ぎ、発音を一定に維持する事を指す。
母音を形成するのは、顎、舌、軟口蓋と言った口腔内と、喉頭・咽頭を中心とした喉に分けられる。
母音が歪む事は、これらの形状が、なんらかの原因で歪むと考えられる。
「母音の純化」でも述べた通り、高音部での発声では母音を一定に保つ事が困難になる。
ここで、このテクニックが有効になる。
聞き手にわからない程度に母音を若干、変化させて歌う事がそれ。
例えば高音部で「あ」の発音が英語の[ae](あ、えの中間のような音)に拡がる傾向にあるため、高音部での「あ」の発声時に「お」を少し混ぜるように発音する。
これにより、高音部で拡がりすぎてしまって[ae]に聞こえていた音が聞き手に「あ」として正しく聞こえるようになる。
桜田が提唱するボイストレーニングで言うバランスは2通りあり、
1.声帯に供給する息の量と、声帯を閉じる力のバランス
2.ヘッドボイスとチェストボイスのバランス
1番は正しい発声の状態を作るために重要で、2番は各声区の行き来のために重要。
ここでは「歌うための姿勢」を指す。
これも呼吸絶対主義と同様、古くから教育に必要以上に使われ続けてきた言葉。
個人的には、極端に呼吸を阻害しない姿勢であれば問題はないと思っている。
横隔膜を比較的早く動かす必要のあるエクササイズ(ビブラートやボーカル・リック等)や、自分の最高音域、または最大音量での練習時は、立ち上がって正しい姿勢で行う事をおすすめしている。