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  • ライブ当日のボイストレーナーの仕事とは

    ボイストレーナーの仕事の多くはスタジオでのレッスンとなりますが、ライブ会場やテレビ収録の現場まで伺い、アーティストの声を整える事もあります。 当日リハーサル前のウォーミングアップ ウォーミングアップの場所はアーティストによって異なります。 ボイストレーナーの部屋を専用に充ててくれる事もありますし、アーティストの楽屋で行う事もあります。 GENERATIONSのライブツアーに帯同した際はボイストレーナーの部屋が用意されていました。 「昨日はよく寝れた?」「疲れ残ってない?」等なんて事のない会話からその日の健康状態のチェックや話し声を聴き、その日の声の状態をチェックしていきます。 この時点での声の出方は、後のリハーサルから本番に向けての声のチューニングの仕方に影響が出ますので、慎重に聴き分けます。 チェック項目は ・話し声の低さ、高さ ・話し声にかすれはないか? ・歌い声(地声)の音程はフラット傾向にないか? ・歌い声(地声)のツヤ、響きは良いか? ・裏声が直ちに出せるか? 極端な場合、この中のチェック項目で、、。 「話し声が低く、かすれ… 続きはこちら≫

  • リハーサル時にボイストレーナーは何をするのか?

    ボイストレーナーのレッスンスタジオ以外での「現場仕事」と言ってもあまりピンと来ないかもしれません。 僕の場合も先輩ボイストレーナーの仕事に付きそって、ライブやレコーディングに行って勉強した経験もありません。 今日ここに書く事は、桜田ヒロキが「こんな事をやったら喜んでもらえるだろうな」と言う事をやっていった結果、仕事として成り立っていった事の紹介となります。 ウォーミングアップ&喉周りのストレッチ 「本番前のウォーミングアップ方法」で書いたのでこちらをご覧下さい。 リハーサル前にボーカル・ウォーミングアップをに行います。 この後に待つモニターチェックで声が本番に近い状態で仕上がっている事が重要です。 ウォーミングアップをする事、ウォーミングアップの仕方に寄って歌声は変わりますし、それはアーティスト本人の歌いやすさにも大きく関わります。 ※ライブのモニター環境とは、客席向けに作られた音響(カッコよい音優先)ではなく、アーティスト本人が歌いやすさを最優先した設定で作られた音です。 モニターチェックの対応 現在のライブでは、多くのアーティストがインイヤーモニ… 続きはこちら≫

  • ライブ、レコーディング前のボイス・ウォーミングアップでは何をするか?

    歌っている方であれば歌唱において、ウォーミングアップを行う事がとても重要な事はご存じの通りでしょう。 オーストラリアのある学者によって行われた実験では歌手がウォーミングアップ前、そしてウォーミングアップ(25分間)後の歌唱(8小節)の評価を行いました。 評価項目は ・声の甘さ ・明るさ ・喉に感じるストレス ・ビブラート ・歌唱クオリティ ・トーンクオリティ(声色) ・発声技術における集中力 ・自信の有無 ・声の響き ・シンガーの内に感じる安心感・安定感 ・声から聞こえる不安感 ・声から聞こえる疲労感 など多岐にわたる項目を歌手本人6名。そして専門家8名の耳で確認すると言う方法で行いました。 結果は予想通り、全ての項目で歌手自身、専門家すべての評価がウォーミングアップ後に大きく向上しました。 この実験自体は歌手や専門家の知覚で行われましたが、この研究の全てに関わった人がウォーミングアップ後の歌唱評価が向上したのは、、、 まぁ当然と言えば当然ですね。(笑) では桜田ヒロキはプロフェッショナルの歌手のライブ会場やレコーディングスタジ… 続きはこちら≫

  • アーティスト・ミュージシャン・アマチュア ボイストレーニングや歌唱指導の違いは?

    僕は日々、プロアーティスト、ミュージシャン、俳優、アマチュアシンガーの方を教えています。 それぞれの特性や歌唱の教え方にどんな違いがあるのかを客観的に考えてみようと思います。 アーティスト ここでは既にプロとして社会から認知されているアーティストとします。 楽曲の歌唱音域 意図をしていなければ、大体常に同じ音域を歌う事が多い 声色 アーティストとしてのシグネチャー・サウンドが確率している場合、その声色を返る事はあまりない レッスンで要求される事 ライブパフォーマンスであれば、まず「音程を安定させて欲しい」はアーティスト本人、事務所からも言われます。 出すのが辛い音域を安定させて欲しいと言った要望も言われます。 レッスンで行う事 ・極力、安全で「声帯出血」と言った怪我のリスクを極力抑えるように発声時の喉頭のリラクゼーションを行います。 必要であれば、喉周りや舌骨周りのストレッチを行います。 ・音程の安定のために必要な発声トレーニングを行います。 ・音域の拡張が可能な場合、積極的に行って行きます。 それにより、現在まで… 続きはこちら≫

  • 朝の出しにくい声に最適なボイトレ・エクササイズをご紹介

    こんにちは!桜田ヒロキです! 歌を歌い始める時、特にウォーミングアップが出来ていない時にこんな状況に陥ったことはありませんか? 「高い声を出す時に苦しくなる・・・」 「高い声を出そうとすると声がひっくり返ってしまう」 「力強くて響きのある声が出せない・・・」 このような悩みを、もしたった数分で解決できるなら最高ですよね? そんなあなたのお悩みを、桜田ヒロキと一緒に解決していきましょう! まずはこの動画をご覧ください!! 最強のボイトレ方法「セミ・オクルーディッド」 いかがでしたでしょうか? では、動画でご紹介したエクササイズについて、詳しく解説していきましょう! Semi-occluded exercise(セミ・オクルーディッド エクササイズ)とは? Semi(半)Occluded(閉鎖的)Execise(運動) といった意味合いになります。 簡単に言うと、『半分声を出す/ 半分声をふさぐ』といった意味です。 発声を唇やストロー等で”邪魔”することによって、『半分だけ発声している』状態を作り出します。 セ… 続きはこちら≫

  • 声を痛めてしまったら、どのくらいの休息期間が必要なの?

    今日は非常に多くのライバーさんやシンガーから受ける質問「声を痛めたら休養期間はどれくらいが理想?」にお答えしようと思います! これ、ライバーさんやシンガーでなくても思った事はあるんじゃないかな・・・? 治癒のために「動かす」重要性 一昔前までは「治癒」を促すためには「動かさない事が1番!」と信じられてきました。 しかし今日では、必ずしもそれは正しくない事がわかってきました。 例えば、「腰や背中の手術をした。」もしくは「出産時に帝王切開をした。」 いずれのケースも適度に動かす、もしくは体を軽くストレッチをする事により治癒が早まる事がわかってきました。 これはこのまま声帯にも言える事だそうです。 最大72時間の休息時間 音声学者のIngo Titze博士が興味深い質問を何人ものプロの歌手にしてみたそうです。 「酷なパフォーマンスをした後、どれくらい休めたら良いですか?」 多くの歌手は、「1日じゃ足りない。2日なら大丈夫。3日あれば完璧。4日間は多すぎ。」と答えたそう。 続いてIngo博士は分子生物学者にこんな質問をしてみました。 「分子レベルで考えて、声帯がダ… 続きはこちら≫

  • プロボイスユーザー必見!喉の潤滑改善方法について

    前回のブログ、「声の衛生管理について」は多くの方に読んでいただけたようです。 こちらは言語聴覚士の先生監修の記事を元としています。 病理性のある声に対して理想的な発声環境を述べているので、読んでいただいた方は「いや、そんな事出来ないし!毎日配信忙しいのに!」と言う方もいると思います。 今日はそんなプロボイスユーザーさんの発声環境の改善の”ちょい足し”。でもとっても効果的な方法をお教えします! 喉頭潤滑が改善が鍵となります これは「喉の中がどれだけ潤っているのか?」を指します。 まず声の元となる音を作る声帯は男性で100〜300回。女性では200〜500回くらい1秒間で振動しています。 非常に早く動く組織で、滑らかに動くためには声帯そのものが潤っている必要があります。 その他の部位もしっとりと湿っていてこそ、免疫機能が向上し、さらに声道が共鳴腔としてよい役割を果たしてくれます。 しっかりと水分摂取をしましょう 30~40ml × 体重(kg)=基準値 そうすると体重が50kg程度の女性の場合、最低ラインが1.5リットル〜2リットル程度。 70kgの男性の場合、2.… 続きはこちら≫

  • ライバーさんは注意!?声の衛生管理について

    あなたは、声の使いすぎによる声嗄れに悩まされていませんか? 特にこの数年、気になっているのがライバーさんと言われるライブ配信アプリの長時間配信による声の乱用です。 桜田はライブ配信アプリのライバーさんのオーディションの審査員を務めたこともありましたが、ほぼ例外なく全員の声を聞いて「声が疲れまくっている!」と感じました。 具体的には嗄声(させい)と言っていわゆる軽度〜重度の声嗄れを目の当たりにしてきました。 声の衛生 Vocal Hygieneについて 声の衛生管理は声を使った職業、もちろんライバーさんにとっても重要な事になります。 まずは一般的なものから紹介していきます。 ※ 新 家庭の医学 時事通信に桜田のコメント添えています。 ● 叫ぶ、金切り声 をあげたり、大声で笑う事を避ける ライブ配信ですから、お客様あってですから、むやみやたらにテンションを低く話す事は出来ませんが、長時間に渡ってになると声にとっては非常に負担になります。 要所要所でハイテンションになるのは、わかりますが全ての時間を高い声、大きな声で話すのは避けましょう ● … 続きはこちら≫

  • 歌う際に地声が出なくなってきた!?やるべきことや原因を紹介

    「歌う時に、地声が出なくなってしまう!」そんな経験はありませんか? 症状としては、徐々に(日に日に)声がつまるように感じる事があり、 歌ってみると裏声は出るけど、地声が上手に出せず、ひっくり返ってしまう、声が掠れてしまうと言う事が多く、 「気がつけば、以前と比べて弱々しい声しかでなくなってしまった」と言われます。 声、特に地声が上手に出なくなると不安に思われるでしょう。 今回は、地声が出なくなった場合にやるべきことや原因と思われているケースを紹介していきます。 突然地声が出なくなったら まずは、病院の「音声外来」に相談をしましょう。 音声外来というと、聞き慣れない方もいるかもしれません。 音声外来は声の専門医。声が出ない、特に地声が出ない場合は耳鼻科ではなく音声外来をおすすめします。 地域によっては音声外来がお近くにない場合もあるかもしれません。 しかし、声のトラブルに関しては音声外来の専門医しか診断できないケースも存在しますので、地声の発声トラブルは少し遠くなってしまっても音声外来に相談することをおすすめします。 まずはお近くの音声… 続きはこちら≫

  • The Greatest Showman「Never Enough」 ベルティング発声を音響解析

    ここまでのSinging Voice Scienceの知識を使って実際にベルティング発声を音響解析してみようと思います。 まだ音声学の基礎知識が無い方は「裏声 / 地声発声時の喉頭原音を音響解析」まで戻って順番に読んでいけば分かりやすいと思います。 今回はThe Greatest Show manの劇中曲。Loren Allred 「Never Enough」を音響解析をしてみます! 2:04の「For Me」の「い」母音 ベルティング発声時に音響解析をしてみようと思います。 解析において必要な情報 ・どの音程を歌っているのか? 音程が決定されると、基音〜すべての倍音が決定されます。 ・どの母音を歌っているのか? 母音がわかれば、共鳴腔がどんな形をしているのか?それによってどんな共鳴特性があるのか?が分かります。 さて、ここで質問です。 Loren Allredは2:04の「For Me」のMeの瞬間に歌っている母音は本当に「い」母音でしょうか? ほぼほぼ「え」母音を歌っているように聞こえるのではないでしょうか? これはActive … 続きはこちら≫

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