高い音に段々上がるたびに声を出すのが辛い理由とは?

高音域になればなるほど、どうして声を出すのがキツく感じてしまうのか?
どうすればその壁を乗り越えられるのか?
それらを理論に基づいて解説していきます!

解説のポイント

  • 人間は、空気の振動回数(周波数)を音の高さ(ピッチ)として感じ取っている
  • 高い音になればなるほど音の波(空気の振動回数)が細かく速くなっていく
  • 低くなればなるほど音の波は遅くなっていく
  • 声において、空気の振動(音)を起こすのは声帯である
  • 例えば、A4の音は空気の振動回数440回(Hz)、声帯も440回振動させている
  • 振動回数(周波数)が高くなればなるほど、声帯を速く動かさなければいけないため、高い音を出す時に難しく感じる
  • 音の高さ(ピッチ)≠周波数
  • ”高い音を出す=周波数を上げる”なので、声帯を速く動かす技術が必要
  • 高い音を出すためには、裏声が有利である
  • 高い音を出すために、地声のウェイトを軽くすると、高い音を出しやすくなる

桜田ヒロキのコメント

僕は、歌の練習をしていくにあたって、マインドセットを作る事が大事だと思っています。

地声を出す時の声帯の動きは、下から上に合わさる動き、裏声を出す時は上側だけが動きます。
理論上では、出来るだけ声帯を速く動かすためには、裏声が有利だということが分かります。

高い音を出すためには裏声が有利なので、まずは高い音を身体に覚えさせるために、トレーニングに裏声を取り入れてみましょう。 練習の仕方としては、

①裏声から地声ヘスライドしながら落としていく
②Zeeの発音でオクターブ上から下に落としていく

女性は、地声で出したい1オクターヴ上まで裏声でしっかり練習しましょう。
僕らは、これを1オクターヴルールと呼んでいます。

男性は、地声で出したい音の5度上まで裏声で出せる様に練習をしましょう。
そして、地声から裏声に上がる時の練習としては、地声と裏声の変わり目がバレないように(ウェイトを軽くする)練習してみて下さい。
トレーニングする際には、これらのことを考えながら行うと、より練習がはかどるのではないかと思っています。

根本的なことを理解することは、トレーニングをするにあたって、とても重要なことです。
ただ闇雲に高い音を出すのは、身体や声帯にも負担をかけてしまいます。
賢く練習をすることは、あなたの身体に負担をかけず、時間効率を考えても良い事です。
これらの練習方法は、動画で詳しく説明していますので、是非日々の鍛錬に役立ててみて下さいね!

RECOMMEND
関連動画

声と意識の結びつけ方。その重要性を解説します。

あなたは声と意識の結び付けが上手に出来て、インテリジェントに練習が出来ていますか?
声のトレーニングは筋肥大を目指す筋力トレーニングとは異なり、頭で想像→実際に発声→理想と実際に出た声の誤差チェックが重要になります。

WATCH MORE

ボイトレ・メニューの取説 (1) ネイネイ・エクササイズ

ハリウッド式ボイストレーニングの王道トレーニングの1つ。ネイネイエクササイズについて。
喉頭を持ち上げた状態で発声を行う仕組みや恩恵。そこから発展型のトレーニングについてを解説します。

WATCH MORE

リズム感を強化してもっとカッコよく歌いたい!

R&Bを歌いたいのだけど、キレがなく、なんとなくまったりしてしまうと言うのが悩みのクライアント様のケースを解説します。

WATCH MORE

高い音に段々上がるたびに声を出すのが辛い理由とは?

高音域になればなるほど、どうして声を出すのがキツく感じてしまうのか?
どうすればその壁を乗り越えられるのか?
それらを理論に基づいて解説していきます!

WATCH MORE

ビブラートやフェイク。豊かな声も手に入る練習法!

スタッカートを使ったトレーニングは、フェイク等の素早く動くフレーズに対応出来る柔軟性を養ってくれます。
さらにビブラートをかけるきっかけになってくれたり、豊かな歌い声を育てる等、恩恵をもたらしてくれます。

WATCH MORE

歌うと喉の緊張をすごく感じる。リラックス方法を知りたい

歌うと喉の疲労が激しいわりに、大きな声が出しにくいというクライアント様に過緊張とは何か?改善は何か?を解説していきます

WATCH MORE

最新記事

なぜ「アーティストの声」は魅力的なのか?- 母音で読み解く「良い歌声」の秘密

なぜアーティスト声は魅力的なのか? 良い歌声とそうでもない歌声はどこに差があるのでしょう? 同じ「あ〜」と歌っているはずなのに、歌声は人によってまったく違って聞こえますよね? 楽譜も歌詞も同じ、音程も同じ。それでも、アー […]

歌を歌うのに母音ってなんで重要なの?

歌唱において母音が中心的役割を果たす理由── 発話と歌唱の音響構造を比較しながら考える「良い声」の正体 歌声を聴いたとき、「この人は良い声をしている」と感じる場面は多くあります。 人は専門的な知識がなくても、歌声の魅力を […]

加齢の声への影響とボイストレーニングについて論文を調べてみた 第2話

【第2話】加齢しても発声機能は改善できます 有酸素運動・継続歌唱・段階的ウォームアップの科学的根拠と実践的アプローチ 加齢に伴って声の立ち上がりが遅くなる、高音が硬くなる、息漏れが増えるなどの変化を自覚する方は非常に多い […]

記事をもっと見る
レッスンを予約する