ボイトレで高い声は獲得したけど、歌で出せない!なんで!?

ボイストレーニングは高音も低音も目的にあった「出しやすい」状況を作って発声を出来るように仕向けます。

解説のポイント

  • 「ボイトレでは出せるけど、実際の楽曲になると出来ない」こんな悩みをよく聞きます。
  • ボイトレで「発声出来た!」と言う音域は「上昇して最高音を一瞬触って降りてくる」と言う音階がほとんどです。
  • 実際には高い音域に居座って歌い続けるようなメロディがたくさんあります。
  • 一連のメロディの平均音域をテッシトゥーラと呼び、「高音域に常に居座る」と言うシチュエーションが多くあり、ここでボイトレとやっている事がかい離してしまう事があります。
  • ボイストレーナーは取り組んでいる課題曲に合った、難易度での音階練習を提供する必要があります。

桜田ヒロキのコメント

「ボイトレでは出せるけど、実際の楽曲になると出来ない」こんな悩みをよく聞きます。
この動画ではまず「なぜそのような状況に陥ってしまうのか?」を徹底解説します。

ボイストレーニングで使う音階はほとんどの場合で「低音からスタートし、高音に一瞬触ってただちに下降する」と言うものが使われます。
また、音階は3度幅、4度幅と比較的歌いやすいとされる音幅が大きく、
「半音で発声を微妙に調整する。」
「1オクターブで跳躍してダイナミックに発声を調整する」
と言った方法は十分に考慮されない事が多いように感じます。

しかし実際の楽曲では、高音域に居座る必要がある、高音域で母音を伸ばす必要がある、と音階練習と難易度がかい離してしまう事がよくあります。

この動画では実際の楽曲を使って「高音域を歌う」と言う意味での難易度の管理方法について解説しています。
香水< Wherever You Are < Pretender
の順に難易度が上がっていく。
その根拠を音階練習のパターンと照らし合わせながら解説します。

これを理解する事によって「実際の楽曲に対応出来るボイトレのメニューとは?」をよく考えるきっかけになってくれれば幸いです。
もちろん桜田ヒロキのボイトレのメニューの中ではこれを十分に考慮した上で、課題曲、エクササイズともに検討しながらトレーニングを行っていただきます。

RECOMMEND
関連動画

鼻声の解決ボイストレーニング

鼻声の特性を理解すれば、それを解決するための対策も可能になります。
この動画では鼻声の解決用のボイストレーニングを公開します。

WATCH MORE

自分の声が高いタイプなのか?低いタイプなのか? 見分ける方法を解説します!

知識解説の動画になります。自分の声がどのようなタイプなのか?把握しておくとボイストレーニングの観点的に非常に有用な情報となります。

WATCH MORE

ビブラートや、フェイクが苦手。棒うたいになってしまう方に必要なエクササイズを紹介します

ボイストレーナーは低音〜高音まで無理なく発声する事、豊かな音色、声の柔軟性をトレーニングするために、その声に最も適した最も声門下圧を作る事を目指します。

WATCH MORE

鼻声ってなんで起こるの?

鼻声になるとあまり「良い声、美しい声」と認識されない事が多く、改善したいと言う方が多くスタジオにいらっしゃいます。
この動画では鼻声がどのようなメカニズムで起こっているのか徹底解説します。

WATCH MORE

頭声も地声も手に入れたいミュージカルを志す俳優

劇場(ミュージカル・シアター)での歌唱は「歌をしっかりと聴かせる」だけでなく「言葉・セリフを明瞭に伝える」と言う事も大きな技術の1つになります。

WATCH MORE

高い音に段々上がるたびに声を出すのが辛い理由とは?

高音域になればなるほど、どうして声を出すのがキツく感じてしまうのか?
どうすればその壁を乗り越えられるのか?
それらを理論に基づいて解説していきます!

WATCH MORE

最新記事

結局ミックスボイスってなに?第8話:ジャンル別発声ストラテジー

第8話:ジャンル別音響ストラテジーの実践 ― クラシックとCCMの声道設計 同じ「高音」でも何が違うのか? 高音を出すという行為は、ジャンルを問わず歌唱者の大きな課題です。しかし、クラシックとCCM(Contempora […]

結局ミックスボイスってなに?第7話:声道共鳴とレジスター移行

Richard Lissemoreの研究から見える新しい発声の地図 研究背景と目的 ボイストレーニングの現場では、「地声と裏声の切り替え」「ブレイクをなくす」といった言葉が日常的に使われます。 多くの指導では、これを筋肉 […]

結局ミックスボイスってなに?第6話ー音響的ストラテジー

第6話:音響的ストラテジー ― 声区とフォルマントの関係を科学する 声区移行は筋肉だけで説明できない 多くのボイストレーニングでは、声区(レジスター)の切り替えを「筋肉(TAとCT)の拮抗」で説明する。これは重要だが十分 […]

記事をもっと見る
レッスンを予約する