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ハリウッド式ボイストレにおける母音の使い方:科学的エビデンスを探る
- 2025.09.23
- ボイストレーナー育成 ミックスボイス 喉頭の機能 歌手のための音声学
はじめに:違和感から始まった調査 先日、アメリカ人の先輩ボイストレーナーが開催するワークショップに出席した際、あ母音は甲状披裂筋(TA)を活性化というワードを耳にしました。 近年、自分が学んでいる発声科学やボイストレーニングの知見を踏まえると、この一言には少し違和感がありました。 本当に母音だけで特定の筋肉が活性化するのか?という疑問から、いくつかの研究を調べてみたところ、興味深い事実がいくつも見えてきました。 ハリウッド式ボイストレーニングでは、強母音(あ母音など)を胸声強化、弱母音(い・う母音)を頭声強化に用いる手法が広く使われています。 本当に科学的にもそれは正しい方法なのでしょうか? これを科学がどこまで裏付けているのかを見ていきます。 [caption id="attachment_1743" align="aligncenter" width="170"] [/caption] 音圧レベル(SPL)とTA活動に関する研究 •Hirose & Gay (1972, JASA) 音圧レベル(SPL)を約70dBから90dBに上げると、TAの放電レベル… 続きはこちら≫