2022年 10月 の記事一覧

  • プロのアーティスト達の「キー決め」の話し

    プロのアーティスト達のボイストレーニングを担当していると楽曲の「キー決め」と言われる仕事を依頼される事があります。 オリジナル曲を書いている方にも、カラオケで歌う方にも参考になるかと思いシェアしようと思います。 キー決めとは多くの場合で、オリジナル楽曲、もしくはミュージカルなどの公演の中で歌う曲のキー設定を行う事です。 ミュージカルの場合、多くの場合で決められたキーで歌う事が原則となりますが、アーティストや名前や歌声が非常に有名な方の場合「アーティストの歌声の持ち味を活かせるキー設定」と言うのが重要になるので、現実的な話しとしてキー変更はよくあります。 では何がキー設定の重要な要素になるのでしょう? 1 アーティスト自身がある程度快適に歌える事 一般的に考えれば快適に歌える事が最優先されると考えられます。 あまりに低すぎる、高すぎると言ったキー設定では歌う事がストレスとなってしまいます。 2 誰が聴いてもそのアーティストのカッコいい歌声である事 プロの現場では歌声がカッコ良く聞こえる事。これがキー設定をする上で最も重要な項目と考えま… 続きはこちら≫

  • 歌唱に最適な呼吸法とは?

    古くは歌は「呼吸の芸術」と呼ばれていた事もあるくらい重要視されてきました。 近年では声帯の運動解析や共鳴の音響解析に注目が集まり、逆に呼吸は軽視されているように感じます。 声を作るのには呼吸(Energy Source)、声帯(Vibration)、共鳴腔(Resonance)の3つが必ず必要となります。 歌において呼吸は必要な音程、音量、音色を出すのにあたり最適な呼気を声帯に送る必要があり、非常に重要なシステムである事に変わりありません。 呼吸→声帯で作られる原音→共鳴腔 と言った流れのプロセスになりますが、それぞれ三つ巴になっているように考えると良いと思います。 1つのシステムにエラーが生じると全てのシステムに異常が起こるようになります。 とすると、呼吸と言うシステムは共鳴、声帯と同じくらい重要な物になります。 いくつかの例として・・・ ・呼気が少なければ、声門の閉鎖は強くなります。 ・呼気が多すぎれば、(声門の閉鎖は弱くなる事もありますが、多くの場合で)過度に声門を閉じようとし、過緊張を引き起こします。それは声道の形状にも影響を及ぼします。… 続きはこちら≫

  • 呼吸のメカニズム 肺の容量について

    声を出すのにあたり声帯の原動力となる呼気は非常に重要な役割を果たします。 今回は呼吸のメカニズムを紹介します。 肺は健康な成人で5〜6リットル程度の容積を持ちます。 この図はその容量をどのように換気しているのかを示した図になります。 一回換気量 (Tidal Volome) グラフの中腹で小さく上下している部分です。 主に横隔膜を使った呼吸とされています。 これはTidal Volumeと呼ばれ、リラックスをしている時、睡眠時の呼吸になります。 約500ml程度、吸って吐いてを繰り返します。 会話程度の発声、徒歩程度の運動が始まった途端に500mlの容量では息が足りなくなるため、次の容量に移ります。 呼気時には主に肺が元のサイズに戻ろうとする弾性と横隔膜のリラックスで行います。 ※横隔膜は吸気時に縮む(筋肉に力が入る)呼気の際には緩みます。 吸気予備量 (Inspiratory Reserve Volome) 会話をする、運動をする。そして歌を歌う時にはこの容量をフル活用します。 この時に使える息の量は3000mlくらい。 主に胸郭… 続きはこちら≫

レッスンを予約する