2025年 09月 26日 の記事一覧

  • 高音の地声って何で難しいの?第4話:芯のある高音発声のメカニズム

    第4話:CTとTAの相互作用 ― 芯のある高音発声のメカニズム 歌手にとって「高音域で芯のある声をどう出すか」は大きなテーマの一つです。 ボイストレーニングの現場では「高音になると急に息っぽくなる」「裏声のように弱々しくなってしまう」「ベルティングのような強い高音が出せない」といった悩みが頻繁に聞かれます。多くのボイストレーナーも、生徒から寄せられる最も大きなリクエストのひとつとして「高音でも地声的な存在感を保ちたい」というニーズに向き合っています。 このテーマの理解に欠かせないのが、CT(輪状甲状筋)とTA(甲状披裂筋)の相互作用です。 従来の説明では「高音=CT、低音=TA」という単純な二分法が語られることも多いですが、実際の発声はそれほど単純ではありません。 とくに高音での芯のある発声(地声的高音)は、CTだけではなくTAの「適度な関与」が鍵になります。 CTとTAの役割の基本 CT(輪状甲状筋)は声帯を前後に引き伸ばし、長く・薄く・張りの強い状態にします。これによって基本周波数(F0)が上昇し、ピッチを高める主役的な筋肉です。 CTは声帯をス… 続きはこちら≫

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