こんにちは!桜田ヒロキです!
歌を歌い始める時、特にウォーミングアップが出来ていない時にこんな状況に陥ったことはありませんか?
「高い声を出す時に苦しくなる・・・」
「高い声を出そうとすると声がひっくり返ってしまう」
「力強くて響きのある声が出せない・・・」
このような悩みを、もしたった数分で解決できるなら最高ですよね?
そんなあなたのお悩みを、桜田ヒロキと一緒に解決していきましょう!
まずはこの動画をご覧ください!!
最強のボイトレ方法「セミ・オクルーディッド」
いかがでしたでしょうか?
では、動画でご紹介したエクササイズについて、詳しく解説していきましょう!
Semi-occluded exercise(セミ・オクルーディッド エクササイズ)とは?
Semi(半)Occluded(閉鎖的)Execise(運動)
といった意味合いになります。
簡単に言うと、『半分声を出す/ 半分声をふさぐ』といった意味です。
発声を唇やストロー等で”邪魔”することによって、『半分だけ発声している』状態を作り出します。
セミ・オクルーディッドを使った6つのエクササイズをご紹介!
①リップロール(リップバブル)
唇をプルプル振動させるエクササイズです。
声帯と唇は声道で最も遠い場所に位置しますので、比較的自然に発声しやすい方法だと思います。
セス・リッグス氏により積極的な高音域の開発に使用され始め、今日のボイストレーニングではこれを使わないボイストレーナーは少なくなってきたと言えるくらいではないでしょうか。
②タングトリル(タン・トリル)
舌をトゥルルと振動させるエクササイズのことです。
舌先が柔軟に動く必要がありますので、舌の過度な緊張を和らげる方法としても使えるかもしれません。
③ラズベリー
リップロールとタングトリルを同時に行うエクササイズ方法です。
④ストローを使ったエクササイズ
細めのカクテルストローに息を吹きかけます。
ここで大事なポイントは、低音から高音に向けてグリッサンドをして、その状態のまま高音から低音に戻ることです。
⑤ラックス・ボックス
ペットボトルなどに水を少し入れて、そこに息を吹き込んで発声する方法です。
あるSemi-Ocluded Vocal Exerciseの研究では、特に効果が得られるのは、
③ラズベリー、④ストロー、⑤ラックスボックス
と言う研究結果もあります。
これらを行った後に、声を出すと声が軽く出せるようになりますよ!
是非、どんどん試していってくださいね!
↓正しいリップバブルの方法については、こちらの動画をご覧ください↓
リップバブルのやり方
これはダメ!間違ったリップバブルのやり方
セミ・オクールディッド・エクササイズの効果がもたらす2つのメリット
①喉をリラックスさせることができる
セミ・オクールディッド・エクササイズは、喉の過緊張状態をほぐしてくれます。
声帯が必要以上に合わさる状態は、声帯にとって良くないものです。
過度な声門閉鎖を伴う発声はプレス発声や、過緊張発声と言われ、声帯に不可を強く掛けるだけではなく声色としてもあまり好まれない事が多いです。
過緊張の状態が続くと、首の外側にまで影響を及ぼしてしまいます。
ストローエクササイズは一時的に声道を長くしてくれる効果もあります。
これは、人間が叫んでいる状態とは真逆になるので、過度に声が緊張してしまう方には、それを弱める効果があります。
(叫ぶ発声は、唇を広げ、喉を極度に上げるため、声道を非常に短くします。)
②声の響きが良くなる
先述にあるエクササイズを行うことによって、多くの生徒さんたちが、
「声が出しやすくなった!」
「声が軽くなった!」
と言ってくれます。
セミ・オクルーディッドのエクササイズは、共鳴腔に程よい圧が生まれるので、声道が拡がり、声帯を下の部分から合わせやすくなります。
(声帯の上の部分のみが合わさった状態を、ファルセット発声と呼んでいます。)
よって、声帯が下の部分から合わさると、地声的な発声が行えるのです。
口頭入口部分に関しては、空間を狭める効果があるので、声が最も響きやすい状態になるというわけです。
↓下記は、共鳴するエネルギーが声帯の振動を助ける”インタレクション理論”の画像です。↓
〜まとめ〜
いかがだったでしょうか?
上記に挙げたものは、ほとんどのボイスレッスンで取り上げられている内容だったのではないでしょうか?
しかし、これらを理論的に理解することによって、練習する際に集中するべき部分や成すべきことが見えてきそうですね。
セミ・オクルーディッドのエクササイズは、歌声だけではなく、話し声としても良い影響があります。
これを機会に、ご自分の話し方を改善してみても良いかもしれませんね!
ヒアルロン酸の経口摂取は喉や声帯の加湿に有効か?の記事はこちら
桜田ヒロキのボーカルレッスンはこちらからどうぞ!
この記事を書いた人

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米国Speech Level Singingにてアジア圏最高位レベル3.5(最高レベル5)を取得。2008〜2013年は教育管理ディレクターとして北アジアを統括。日本人唯一のインストラクターとしてデイブ・ストラウド氏(元SLS CEO)主宰のロサンゼルス合宿に抜擢。韓国ソウルやプサンでもセミナーを開催し、国際的に活動。
科学的根拠を重視し、英国Voice Care Centreでボーカルマッサージライセンスを取得。2022–2024年にニューヨーク大学Certificate in Vocology修了、Vocologistの資格を取得。
日本では「ハリウッド式ボイストレーニング」を提唱。科学と現場経験を融合させた独自メソッド。年間2,500回以上、延べ40,000回超のレッスン実績。指導した声は2,000名以上。
倖田來未、EXILE TRIBE、w-inds.などの全国ツアー帯同。舞台『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』主演・岩本照のトレーニング担当。
歌手の発声障害からの復帰支援。医療専門家との連携による、健康と芸術性を両立させるトレーニング。
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